修論テーマ
.
.
.
自律型天文台のための測光観測スケジューリングの
自動生成システムの開発に関する研究


電気通信大学大学院  電気通信学研究科
機械制御工学専攻  加藤 靖暁


概要:

本研究では、公共天文台などにおける小・中規模望遠鏡の利点である「すぐに 利用できる機動性」と「全国に多数存在することによる連動性」を活かした観 測システムとして、ネットワーク化された複数の自律型天文台による観測シス テムを提案する。このシステムは複数の地域に設置された望遠鏡の協調観測に よって、天体観測における地域差や時差を無くすことが可能であり、最終的に は地球規模でのネットワーク構築によって、24時間連続観測を行うことのでき る新しい観測システムの実現を目指す。

本研究ではこのシステムの実現を目指し、その基本要素の一つである単独望遠 鏡に対する観測スケジュールの自動作成システムの開発を目的とする。将来的 にこのシステムは、複数の望遠鏡を管理する上位のスケジューラの下に置かれ、 担当望遠鏡に対する観測スケジュール管理を行うことになる。

このシステムは対象が天体観測であり、システム運用中に観測計画の修正を迫 られることが多々あることから実時間性が要求される。また、利用者の考える 観測の優先度やポリシーを反映し、これらに柔軟に対応できるシステムである ことが望まれる。このようなことを考慮し、本研究ではこのシステムを知識ベー スシステムによって実現する。しかし、知識ベースシステムは探索システムで あることから実時間での利用には不向きであると言われている。そのため本研 究での目的は、これを克服するために必要とされる、天体観測スケジューリン グ問題において有効な、探索の効率化に関する知見を得ることである。

このために本研究では、天体観測スケジューリングのための評価関数の提案や、 先読み・枝刈りなどの手法に関する設定の提案を行い、これらの有効性を実験 によって確認した。また、これらの設定後には、それまでに蓄えられたスケ ジュール結果の事例から新たな探索ルールの考察を行い、これをシステムに フィードバックすることでその有効性の確認を行った。

これらの実験をもとに設定した探索方法によって天体観測用のスケジューリン グシステムの開発を行い、このスケジューリングシステムが実際の天体観測の 場で要求される問題解決の制限時間である3分程度の間で、与えられた問題を 解決できることを示した。


修論発表資料(PDF)

.
.
.
Last Update 2004.3.30 ::: since 2004
kato@tl.cc.uec.ac.jp