Research

TEXT:西野 弘毅(Nishino Hiroki / 情報通信工学専攻)

研究題目

実時間分散制御システムの永続化に関する研究

研究概要

近年では、様々な産業分野で自動化が進んだことにより計算機システムが大規模化し、ソフトウェア 開発コストの増大が問題となっている。 その解決策として、最初から大規模なシステムを作るのではなく、単純な機能を持ったソフトウェアを ネットワークによって繋ぎ合わせることによりシステムを構築する手法がある。 このソフトウェアを繋ぎ合わせ協調動作させるシステムである分散システムのうち、機器制御での協調動作 を行うために実時間性を重視したものが、高田研究室によって開発されたGlueLogicである。

GlueLogicは複数のエージェントと呼ばれる単純な機能を持ったソフトウェアと協調動作をするための 共有情報を扱う一つのサーバによって構成される。 GlueLogicは機器制御に十分な実時間性を確保するために最低限必要な機能を厳選している。 そのため、GlueLogicを介したシステムがGlueLogicの設計の想定範囲の外にも広がると、協調動作のための共有情報が永続化されていないことが問題となった。

本研究では実時間性を保ったままGlueLogicに共有情報の永続化機能の追加を行うために、GlueLogicの共有情報を管理するサーバのマルチスレッド化をして エージェントをスレッドとして実現できるモデルを設計しマルチスレッド化サーバを実装した。 さらに永続化機能の実時間性への問題点を、永続化するGlueLogicの共有情報を分割して差別化を行い分割したグループごとに永続化を行うことにより解決し、 永続化機能をマルチスレッド化サーバにスレッドエージェントとして実装した。

そして、実装したマルチスレッド化サーバと永続化機能の実時間性を測るために、既存のGlueLogicのサーバと応答速度の比較実験を行った。

実験結果より、マルチスレッド化サーバは接続するエージェントの数が多い場合は既存のサーバを上回り、それ以外の場合でも 既存のサーバと同様の実時間性を持つことが確認された。 永続化機能は永続化を最も高い強度で行った場合でも既存のサーバと比べて劣らず、十分な実時間性を持つことが確認された。

最後に、本研究の仕様による永続化機能の問題点とその解決案を挙げ、今後のGlueLogicのマルチスレッド化サーバの発展について考察した。

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