Research

TEXT:北野 正典(KITANO Masanori / 知能機械工学専攻2年(M2M))

研究題目

時間的制約を考慮した無人搬送車の走行経路制御に関する研究

研究概要

(修士論文レジュメはこちら)

消費者ニーズが多様化した現代ではFMS(Flexible Manufacturing System)のような 多品種少量の生産を行える柔軟性の高い生産システムが求められる。 FMSにおいては搬送システムも柔軟性のあるものが求められるが、 そのような搬送システムとして無人搬送車(Automatic Guided Vehicle:AGV) が挙げられる。

無人搬送車は1台当たりの搬送能力は高くないものの、 複数の無人搬送車を同時に稼働させることによって搬送システム全体の搬送能力を 容易に増減させることができるという特徴があるが、 その一方で無人搬送車同士が互いに干渉し合って動けなくなるデッドロック状態に 陥る可能性がある。デッドロック状態の発生は搬送効率の低下、 ひいては生産システム全体の効率低下を招く。

本研究では、デッドロック状態を予防する手法の一つとして、 「無人搬送車同士で経路を融通する」という手法を提案した。 この手法は走行経路を構成する区間と時間(合わせて時空間と称する)を 目的地まで予約することによって 他の無人搬送車の進入を防ぎつつ、経路探索の結果走行経路を確保することが できなかった無人搬送車と他の搬送中の無人搬送車の間で経路を 融通し合うものである。

また、搬送中の無人搬送車に課せられた納期までの時間的制約に着目し、 時間的制約を表すパラメータを提案し、それに基づいて経路の融通を行う際の 優先順位づけを行った。

提案した各手法を用いて走行経路制御システムを構築し、 計算機シミュレーションにより有効性を検証する実験を行った。 比較対象として、経路の融通を行わず「経路探索をした順に時空間を予約する」という 手法を用いた。

実験結果より、提案した手法を用いた走行経路制御システムが デッドロック状態に陥らないような走行経路を取ることが 確認された。また、比較手法と比べて同一条件下において 搬送能力が上がることが確認された。

最後に、本研究で構築した走行経路制御システムに生じた 問題点を挙げ、更なる改善方法について言及し、 今後のシステム発展についての考察を行った。

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