平成18年度 修士論文概要

論文題目「分散環境で遠隔協調可能な有限状態機械エージェントの開発に関する研究」

知能機械工学専攻 知的生産学講座 高田研究室 古川正紘

近年,多品種少量生産を実現するためにFMS(Flexible Manufacturing System) が用いられている.このFMS の代表的な生産形態として生産セルが存在する. このセル内の製造装置が製造する品種に応じて柔軟に作業内容や工程を変化させることで, 多様な製品種の生産を実現する.しかし生産品種が追加された場合には, 動作プログラムを更新するために生産ラインを一旦停止させる必要があるため, これが生産効率の低下の原因となっており,一品生産を可能にする 柔軟性を実現するに至っていない.そこで,生産セルを停止させずに 自在に動作を変更可能な機器制御システムを目指し,本研究では VMD(virtual manufacturing device)に制御階層を導入し, 任意の機器間で密に連携した協調動作を容易に実現するパラダイムを提案した.

本研究ではまずネットワーク透過な分散オブジェクトとして, 制御階層を持つVMDを構築した. このVMDは簡単な動作プログラムを追加することで,容易に 制御階層を積み重ね,能力を拡張することが可能なものである. この制御階層を利用し,協調動作を行なう複数の機器を一つの VMDとして取扱える利便性の高い上位VMDを定義することを提案した.

そこで,このVMDの動作を実現する有限状態機械エージェントを開発し, 評価のためのシミュレーション実験を行なった.この結果から, 生産セル内の任意の機器間で協調動作を実現でき, またこれを簡潔な動作プログラムの追加で容易に変更,拡張できることを示した.

最後に,本研究で開発したエージェントの問題点および解決案について 述べ,提案したパラダイムについて考察を行なった. さらに今後の課題として,任意の機器間で協調動作を可能にする VMDインタフェースの必要性と機能ライブラリの拡充を挙げた.



修士論文予稿:PDF(78KB)


Last Update 2007.02.20 ::: since 2004
furukawa

Back