部品表に基づく製品情報データベースに関する研究


和文要旨

 現在の検査技術では、再使用製品の状態を容易に把握することは困難である。そのため、製品の状態を調べるための検査に多くの手間がかけられている。それでも製品の状態を十分に把握することができず、安全性や品質を保証するために、手厚すぎる再使用処理が行われており、資源の面で非効率的である。
 再使用では製品の均質性が保証されていないために抜き取り検査を行うことができず全数検査を行っている。再使用製品に対する抜き取り検査を可能にするためには回収されてきた製品を均質な製品群に分けられなければならない。そこで本研究では製品の製造履歴や使用履歴などの履歴に着目し「類似の履歴を持つ製品の状態はほぼ均質である」という仮説を立てた。抜き取り検査を実現するためにはまずこの仮説を検証し、履歴により均質な製品群に分けられることを示す必要がある。仮説を検証するには、製品の履歴を蓄積しその製品に対し全数検査し、統計をとる必要がある。
 本研究では製品の情報の活用による過不足のない再使用処理工程の決定を目的とし、履歴情報の統計的な処理を可能にする製品情報データベースの設計を行うこととした。
 本研究では、製品と部品の関係を表現するために部品表に着目し、製品と部品、部品の果たす機能を識別する部品名称、取付け日時、取外し日時からなる製品の構成情報をフレームワークとしてデータベースの設計を行った。さらに履歴の検索方法として、同じ製品内で発生した他の部品等の履歴の検索を行う関係のある履歴の検索を定義した。
 実装したデータベースに動作実験を行い、登録製品数とデータベースの計算時間には比例の関係があり、登録製品数が増加した場合でも、極端に動作速度が増加することがないことを確認した。
 以上により履歴情報の統計的な処理を行うための製品情報データベースが実現したことを確認した。今後は本研究のデータベースに実際の製品の履歴を蓄積し、製品に全数検査を行うことで製品の履歴と製品の状態の間の相関関係を調べ、仮説の検証を行う。
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