車で通勤していると、たくさんの電柱が目に入る。
その上に設置された配電設備はなかなか機能的で、
それでいて如何にも人間が手で造ったものらしく、
同じような工作はほとんど無い。
また、私の自宅は大規模な変電所の比較的そばなので、
高圧送電線が良く目に入る。
自宅から勤務地までは、いくつもの高圧送電線を潜り、
あるいは並行して走ってゆくことになる。
一度気になってしまったものは、 二度と無視することはなくなってしまうという。
私は、 そんな風景を眺めながら、
普段電気を何気なく使っている我々が、
どんな機器や設備、そしてその分野の専門技術者の腕とアイディアに支えられているのかを
知りたくなってしまったのだ。
世の中には 『路上観察学』なる学問 (?) があるそうで、
高圧送電線の鉄塔を対象とするものも、
その一分野として確立されているようだ。
そこで私は、
電柱の上にあるものどもを、通勤路沿いに集めてみることにした。
先輩諸氏に倣って、 撮影した写真を並べてみた。
また、思いついたことどもを書き連ねてみた。
いずれ整理がついたらもう少しは見易くなる筈なので、
それまではしばしご辛抱いただきたい。
なお、 私は電力工学に関しては 全くの門外漢なので、
限られた参考書と 目で見た直観のみで ものを言っている場合が多々ある。
私がお仕事の文脈で電力用電源と言ったら、
それは DC 12 V か精々 24 V のことを意味するという、
そんな環境にいるのだ。
眉に唾しながら御覧頂きたい。
あまり馬鹿をすると恥ずかしいから、
自分の持っている知識の範囲の中で考えて、
納得のいったことを書くようにしている。
そうでない事ははっきり『判らない』と書いている。
( 私はそんな台詞を発する事を
全く恥ずかしい事だとは思っていないし、
おまけにそれは『知りたい、納得したい』と言っているのと
同じ意味だと考えているのだ。 )
そんなに見当外れな事は言っていないはずだと思ってはいるが、
間違いや用語の誤り、 あるいは重要な知識の欠落などに気づかれた場合には、
是非ともご教示をお願いしたい。
(まぁ、 大学の図書館には役に立つ本が 山ほどあるに違いないのだが。)
写真は特記ない限り 35 mm の銀塩写真に自分で撮影し、
その Lc サイズのプリントを 150 dpi のスキャナで 取り込んだものである。
色がどうもうまく出ないのは、 露出条件の所為か、 スキャナの所為か、
はたまた単なる撮影者の腕前の問題か?
一応、 見にくいものから 順次撮り直していきたいという 『希望』だけはある。
撮影機材: Nikon FA, Nikon NewFM2, Nikon Nikkor ED 180mm f/2.8, Nikon Nikkor 35mm f/2, Nikon Zoom-Nikkor 35-105mm f/3.5-4.5, Tamron SP 60-300mm F/3.8-5.4, Nikon Teleconverter TC-14AS
リンクは御自由にお張り下さい。連絡の必要もありません。
詳細は
Copyright Notice
を参照ください。
Making links pointing my pages in your documents is completely free.
おことわり:
これらのページは 1999 年に公開を始めました。
今となっては非常に古い写真や情報も含まれておりますが、
既に転居していたり、 また私個人のノスタルジーもあり、
昔の風景の記憶を残すために修正を加えることなく残しております。
どうぞご了承下さい。
なお、技術的な誤りなどは判明次第訂正修正を加えておりますが、
万一お気づきの点がありましたらお知らせ下さい。
一般需要家へ電力を送り届ける電線と、それによって形成されるネットワーク。
電柱の上にあったり、地面の下にあったりする。
あなたの家のまわりにもきっと張りめぐらされていることだろう。
高圧配電線路と低圧配電線路に大別される。
高圧配電線路は
一般に電圧 6600 V の三相交流で、
大抵の場合は、
電柱の一番上に三本並んでいるのがそれと考えて良いようだ。
低圧配電線路は、 電柱の上にある柱上変圧器(トランス)を使って、 高圧配電線路から受けた電力を 100 または 200 V の単相または三相に落したものである。
高圧配電線の追跡 してみました。
フィーダ用地下ケーブルヘッダ装置
一般需要家への配電を目的とする変電所。
送電系統と配電系統との界面(インターフェイス)。
多くは街の中にあることから、
市街地変電所と呼ばれることもあるようだ。
いつか設備を見てみたいものだが、 どうせ主要な機器は塀や壁の中に設置されているのだろう。 何か良いチャンスはないものか。
送電系統を構成している送電線とそれらを支える鉄塔群。
長距離の送電には、電流を少なくするために、
150 kV 位から 500 kV までの高電圧を用い、
最近は設計電圧 1000 kV の送電線もある。
東京電力の調達品リストを見ていると、
『主要変圧器 18/481〜520〜559 kV 27 タップ 1000 MVA』などという項目がある。
この発電所は 520 kV で送電しているのだろう。
で、送り出す電流は 1100 A ということになる。
比較的近距離の送電になると電圧も下がって、
66 kV 位から 275 kV 位を使うようだ。
鉄塔を見なれている方々は、見ただけで使っている電圧が判るようだ。
確かに「がいし」の数を見ればその耐電圧が判る理屈だが、
まだ私にはとてもできない。
送電ケーブルを地下に埋設して電力を送ることも行なわれている。
最近では 500 kV CV ケーブル一回線で 1200 MW を送電してしまうそうだ。
これは現在の最大の発電機一基分を上回る大電力。
それがたったの一回線で済んでしまうとは…。
都心部の送電はほとんどが地中送電で行なわれているそうだ。
そういえば、確かに山の手線の内側で送電鉄塔を見かけた記憶はない。
話は変わるが、架空送電線は被覆されていない。俗に言う裸電線である。
この近くで凧上げなどすると命に係わるので絶対にやめましょう。
どう表現すると判り易く例外の少ない表現になるのか良く判らないが、
ここではおもに他の変電所から送られた電力を
さらに他の変電所へ送る目的を持った変電所のことを指している。
全国を 500 〜 1000 kV の超高圧による幹線網でカバーしており、
首都圏では都心を取り囲むように、
新多摩, 新秦野, 新所沢, 新古河, 新野田, 新京葉, 房総, などの変電所が内輪を、
新富士, 東山梨, 新秩父, 新岡部, 新新田, 新栃木, 新茂木, 新筑波, 新佐原,
などの変電所が外輪を構成している。
これらの変電所から、
さらに消費地に近い変電所へ 275 kV 架空送電線で運び、
最後の都心への乗り入れの数十 km にわたっては
275 kV 地中送電線を使って電力を供給する という構成になっているそうだ。
でもその先、配電変電所向けの 66 kV へは
どこでどんな風に変圧しているのかは不明。
なんとなく、その辺のビルの地下室あたりに
巨大な電気室があったりするのではないかとも思ってしまう。
調達品リストには『送電用変圧器 275kV/66kV/22kV 300MVA』とか
『送電用変圧器 275kV/154kV/66kV 450MVA』といった変圧器が出てきているので、
きっとこんな機械を使っているのだろう。
しかし、
それだけでは調達台数が少な過ぎるような気がするので、
まだ何か私が気づいていないものがあるのに違いない。
これも、街中に分布して存在するものではないから、あまり目にしたことはない。
私の通勤経路から一番近いのは、毎朝遠景だけ眺める北多摩変電所。
我が家に一番近いと思われるのは、
遥かに通信用鉄塔だけ見かけたことのある、 電源開発の西東京変電所である。
いつか中を覗いてみたいものである。
只今準備中ですが、それでもよろしければ御覧下さい。
電力を作り、需要家に送り届けるまでの、
全ての過程を含んだ電力の流通システムを 電力系統という。
そのうちの一つに不具合があったとしても、
我々は電気を安全に使うことができなくなってしまうのだ。
逆にいえば、これだけのものが揃っているからこそ、
我々は電気を便利にいつでも使うことができている。
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